「仕事にしたいのかわからない」
その前に、仕事と事業を
分けて考えてみる
教室を開いたばかりの
生徒さんと話していると、
ときどき、こんな言葉を聞きます。
「仕事にしたいのかと言われると、
よくわからなくて・・・。
集客のこととか考えたり、
施策を講じるのは苦しく感じてしまう……」
でも、そのあとには、
「この良さを、もっとたくさんの人に知ってほしい」
「私が知っていることを、誰かに教えたい」
「こんなふうに楽しめることを、もっと広めたい」
という言葉が続きます。
私は、この二つは
矛盾していないと思っています。
むしろ、ここには
小さな教室を始める人が抱えているものが、
よく表れているように思うのです。
なぜなら、
「仕事にしたい」ことと、
「仕事をしたい」ことは、少し違うから。
そして、もうひとつ。
「仕事」と「事業」も、同じではないからです。
そもそも、仕事って何だろう?
たとえば、
自分が学んできたこと。
経験してきたこと。
身につけた技術。
自分だからこそできること。
そういうものを、
誰かの役に立つ形にして届ける。
そして、その価値に対して
対価をいただく。
私は、これも仕事のひとつの姿
だと思っています。
だから、
月に一度だけ石けんのレッスンをする。
アロマを教える。
ハーブのことを伝える。
喜んでいただきながら
お金も払ってくださった。
それなら、もう立派に仕事です。
ご本人が、
「私は仕事をしています!」
と思っているかどうかとは、
別の話です。
「仕事にしたい」と思っていなくても、
仕事をしている
ここが、意外と大事なのではないでしょうか。
「仕事にしたいのかわからない」
と言いながら、
すでに誰かに教えていて、
その人から受講料をいただいている。
だったら、
もう仕事は始まっています。
ただ、
「もっと収入を増やしたい」
「教室を大きくしたい」
とは思っていないかもしれない。
それでもいいんです。
仕事をする目的は、
人によって違います。
収入を得るため。
好きなことを続けるため。
誰かの役に立つため。
自分の経験を誰かに手渡すため。
人とつながるため。
自分らしく働くため。
いろいろあっていい。
では、「事業」って何だろう?
ここからが、私が教室運営を考えるときに
大切にしているところです。
もし、
「この仕事を、これからも続けていきたい」
と思ったら。
そのときには、
「仕事」だけではなく、
「事業」として考える必要が出てきます。
事業というと、
会社をつくる。
たくさんの人を雇う。
売上を大きくする。
何百万円、何千万円と稼ぐ。
そんなイメージがあるかもしれませんが、
必ずしもそうではないと思っています。
事業とは、「続けていける形」をつくること
たとえば、
「自分の教室を10年続けたい」
と思ったとします。
そのためには、
ただレッスンが上手にできる、
たくさんの知識があって
どんな質問にも答えられる。
人となりも良いしみんなに好かれる。
そのことを人よりも上手にできる
だけでは難しい。
それを提供する相手がいなければ
そのスキルも人となりも
発揮する場がないわけです。
だから、発信する。
募集する。
必要な人に見つけてもらう。
価格を決める。
申し込みの流れを整える。
レッスンの内容を考える。
材料費や経費を把握する。
自分がどれくらい働けばいいのかを考える。
そして、
「この金額で、この時間を使って、
私は無理なく続けていけるだろうか?」
と考える。
これらは全部、
教室を「続けていく」ために必要なことです。
つまり、
仕事をすることから、
仕事を続けられる仕組みをつくることへ。
そこからが、事業として考える
ということなのだと思います。
小さな教室でも、事業です
「大きくしたいわけじゃないんです」
という言葉も、よく聞きます。
たくさんの生徒さんを抱えたいわけではない。
毎日レッスンをしたいわけでもない。
自分の暮らしを大切にしながら、
月に何回か、
自分が大切にしていることを誰かに伝えたい。
現にそんな教室もあります。
でも、
「小さく続けたい」も、
立派な事業の形です。
なぜなら、「小さくても続けたい」
と思った瞬間から、
「どうしたら続けられる?」
を考える必要があるからです。
「集客」は、そのためにある
だから、
「仕事にしたいわけじゃないから、
集客はしたくない」
という気持ちも、私はよくわかります。
集客という言葉には、
「売らなくちゃ」
「人を集めなくちゃ」
という感じがありますよね。
でも、
「これを、これからも誰かに届けたい」
と思うなら、
人に見つけてもらう必要があります。
発信する。募集する。
体験してもらう。
必要な人に届く言葉を考える。
申し込める場所をつくる。
これは、仕事を続けるための大切な仕事です。
だから私は、
集客は「売るため」だけにするものではなく、
「届け続けるため」に必要なもの
だと考えています。
仕事をしたいのか、事業をしたいのか
もしかすると、
「仕事にしたいのかわからない」
と感じている人に必要なのは、
「仕事にするか、しないか」
という二択ではないのかもしれません。
まず、
私は、何を誰に届けたいんだろう?
そして、
私は、それをこれからも
続けたいんだろうか?
と考えてみる。
続けたいのであれば、
そのためには何が必要なのかを考える。
どれくらいの時間なら使える?
どれくらいの収入があれば続けられる?
何人くらいの人に来てもらえばいい?
どんなレッスンなら無理なく続けられる?
どうやって必要な人に知ってもらう?
こうして考えていくと、
「事業」という言葉が、
少し身近になってくるのではないでしょうか。
事業は、大きくすることではない
私は、
事業=大きくすること
だとは思っていません。
自分が大切にしている仕事を、
自分の暮らしも大切にしながら、
必要としている人に届け続けられるようにする。
そのために、お金のことも。
集客のことも。仕組みのことも。
時間のことも。
ちゃんと考える。
それが、
自分の仕事を事業として育てる
ということなのだと思っています。
では、あなたにとって「仕事」とは?
ここまで書いてきましたが、
最後に、ひとつ問いを置いてみたいと思います。
あなたにとって、
「仕事」とは、何でしょう?
お金を得るためのもの?
誰かの役に立つもの?
好きなことを続けるためのもの?
自分の経験を誰かに手渡すもの?
それとも、もっと別のもの?
そして、
「私は、この仕事をこれからも続けたい?」
もし「続けたい」と思うなら、
次に考えてみてほしいこと。
「では、どうしたら続けていけるだろう?」
そこから、
あなたの教室を「事業」として
考えることが始まるのかもしれません。
仕事をする。
そして、
その仕事を続けられる形に育てる。
私は、小さな教室の運営には、
その両方が大切なのだと思っています。
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